日本の株式市場で確 実に自歩を築くPTS

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By Yasuo Hamakake
浜欠康生氏 (Chi-X Japan代表兼CTO) が 日本におけるPTS (Proprietary Trading Systems) の成長や今後の展望について語る
Chi-X Japanは7月で開業1周年を 迎えることが出来ました。我々の開業 と同時に日本証券クリアリング機構(JSCC)がPTS取引の清算を開始したのも奏功し、開業後Chi-X Japanの取引は順調に伸びており、PTSの活用に新たな機会を見出すプレーヤーも継続的に増えています。また、証券会社によるSOR (Smart OrderRouting)技術の開発・導入の加速化も日本におけるPTSの成長に繋がっ ています。Chi-X Japanとしては、これまで日本での株式取引がなかったプレーヤーの呼び水となることで、日本の株式市場の底上げを図りたいと考えています。具体的には、海外にお
いてChi-X等のグローバルプラットフォームに慣れ親しんでいるプレーヤーは、新規参入の有力候補先となる模様です。
開業1年目を振り返って
昨年初頭、東証はアローヘッドにシステムをアップグレードしました。それ以前は数秒かかっていた東証での注文約定が、現在はその100倍も早くなっています。これが弾みとなり、アルゴや高頻度取引 (HFT)など、新しい取引形態を有するプレーヤーが日本の株式市場への参入を果たしました。また、新しい取引執行の場ができることは執行市場間の健全な競争を促します。Chi-X Japanは先進的な注文形態や独自の呼び値、また日本最速のマッチングエンジンを有す執行市場です。競争を通じて各執行市場が独自性・利便性を向上させることは、日本の株式市場に多様なプレーヤーを惹きつけることに貢献していると思います。
PTSの進化
我々の目標は公正な取引の場を日本 市場で展開することです。我々の成長、また、日経225におけるPTSシェアが5%を超過したという事実は、日本のPTSで取引をしているプレーヤーがPTSに意義を見出している証左です。直近のデータでは、Chi-Xでの取引は、93%の確率で東証の価格より有利な値段で取引が成立しており、いわゆる価格改善効果を提供しています。また、メイカー・テイカーモデルの導入も新しいプレーヤーの参加に繋がりました。
規制改革
各種PTS規制およびガイドラインは2000年に策定されましたが、マーケットの前提条件は現在と大分異なっていました。そのため、現存するルールの中には現状のマーケット状況を必ずしも正しく反映していないものもあります。例えば、5%TOBルールや10%マーケットシェア規制などは、現状でもそのまま適用されるべきものか疑問に思われます。我々は規制当局との対話も定期的に行い、その他市場関係者の皆様とも協力関係を築いていきたいと考えています。
今後の展望
Chi-Xの市場参入後、日本における市場のフラグメンテーションが進展していますが、まだまだ途上です。ヨーロッパやカナダ、アメリカでもフラグメンテーションは同様に進展しました。我々は健全なフラグメンテーションの進行が日本市場において継続していくことを期待しています。例えば、Chi-X Japanは今のところ日経225構成銘柄の約3%の取引に関与しています。PTS活用の利便性に対して理解を持つプレーヤーと共に、更なる啓蒙活動を実施していきたいと思います。
我々の目標は、出来るだけ多くのプレーヤーにChi-X Japan活用の意義を体現してもらい、それが日本の株式市場全体の成長に繋がることです。規制当局とも協力の下、新しいサービス・商品の導入に努力を注いでいきたいと存じます